フリーライターなるしかねえ

社会不適合な若者の日記です

【感想】週刊少年ジャンプ 2019年24号

 令和初のジャンプ。新連載も大量に控えているということで、新時代突入といった空気ですね。

 

 

サムライ8 八丸伝

 『NARUTO』の岸本先生の新作ということで、話題沸騰の新連載。作画の大久保先生も、岸本先生の良いところを受け継いだような絵柄でキャラクターを躍動させています。

 ページ数が多いこともあって、主人公の背景から戦いに巻き込まれる展開、能力の覚醒、初めての勝利、そして冒険への旅立ちまでが1話に収まった理想的な構成です。まずは良好なスタートを切ったと言えるでしょう。

 冒頭の「大切なものほど目に見えるところにはない」を、今回は「父親への愛情」という形で示しているのが印象的でした。メッセージ性の強いドラマが展開されると期待して良いかもしれません。

 

ONE PIECE

 今シリーズ二人目の死が描かれました。前にも述べたように思いますが、この漫画の“死”は重い。

 カイドウたちの持ち込んだ「SMILE」によって、「表情」を奪われたえびす町の民。「記憶」を奪われたドレスローザ国民も然りですが、この「SMILE」を巡る物語は「人になくてはならないもの」の大切さを思い知らされるようなシリーズになっているように感じられます。

 ここから作戦はいったん仕切り直しの状況ですが、それぞれの展開が続くルフィやチョッパーたちの動向が今後に与える影響も気になります。だから休載しないで。おねがい。

 

約束のネバーランド

 楽しい謎解きごっこが始まるかと思いきや、冒頭から急転直下の極限状態。引き付けられる魅せ方ですね。

 現状はとにかく謎まみれなので、今後の展開をただ見守るほかなさそうです。

 そして、作者体調不良により次号休載。心配ですが、無事に回復してほしいですね。

 

鬼滅の刃

 怒りをあらわにするカナヲちゃんの魅力がすごい。

 しのぶさんの最期は甚だ胸糞が悪かったので、スカッと成敗して欲しいです。

 

Dr.STONE

 絶望的なムードを長引かせるのではなく、すぐさま希望の糸を手繰っていく展開。結構細い糸のはずなんですが、千空たちが頼もしすぎるおかげで明るい雰囲気で話が続いていくように見えて好印象ですね。

 さらには、相変わらずテンポ良く進んでいくストーリー。引きまで完璧で、来週も楽しみです。

 

ぼくたちは勉強ができない

 成幸くん、男前が過ぎる。マジで幸せに成んなさい。

 あしゅみー先輩の抱えていた問題、心の壁、本音を見せない態度、すべてが解消されてカタルシスがすごい。「やっと彼女が久しぶりに泣きやんでくれたような気がした」のモノローグがすべてですね。

 

ブラッククローバー

 エルフと親交を深めていた王子の過去。エルフの人間への憎悪も、その根源には悪魔の思惑があったことがわかりました。

 この悪魔とかいう敵、普通にやることエグくないですか?暗い話にする暇もなくアスタたちが全部吹き飛ばしていたこの漫画で、ここまでの暗雲が立ち込めているのはもうそわそわしてたまらないですね。

 

アクタージュ

 再会が嬉しすぎて一方的にまくし立てる夜凪ちゃんすこすぎる。

 千代子・阿良也との競演に、さらなる強烈な新キャラも参戦しました。また我が強いというかプライドが高いというか、間違いなく一筋縄ではいかないことが一目でわかる濃ゆい男ですね。

 個人的には、今週の杉並区推しポイントたる馬橋公園がエモすぎて最高でした。夜とはいえ、あんな学校もすぐ隣にあるようなところでスター女優がおしゃべりしてていいんですかね。

 

チェンソーマン

 また新たな伝説を刻みました。少年誌でもなんのオブラートにも包まない、ストレートな女性の吐瀉物の描写を1ページ1コマのドアップでぶち込んでくる漫画、チェンソーマン。

 もう本当になんでもあり。どうにでもなれ。お前がナンバーワンだ。

 「人のお金で飲むお酒が一番美味しいですね」に見えるコベニちゃんの人となりも最高です。

 

呪術廻戦

 伏黒くん覚醒。幕間の寄り道にも思えたやきう回にも、彼の成長への手がかりが残されていました。

 式神の躍動をさらに大きく広げたかのような術式、めっちゃカッコいいですね。「奥の手」のフラグも気になります。

 

神緒ゆいは髪を結い

 白ゆいの皮をかぶせた黒ゆい回。これによって、黒ゆいの魅力を描きつつも、彼女の自己同一性を問う内容にもなっています。「なんであたしがあたしであっちゃいけねーんだよ!!」の台詞が今後の大きなテーマにもなりそうです。

 白黒それぞれのキャラクターも一通り見せて、アンケートも反映され始めるこのタイミングで、「鎖」を巡るメインストーリーを進めにいくのも良いですね。

 10話時点で4つもの連載が終了してしまうことで、ノルマン現象にはあまり期待できそうにないですから、どうにか人気を掴んで生き残ってほしいです。

 

僕のヒーローアカデミア

 敵連合の個性がそれぞれ一段階上へと成長するシリーズになるようですね。

 トガちゃんには長い尺を取って焦点を当てましたが、他はテンポ良く見せてくれそうなのも優れた判断だと思います。ギガントマキアの到着まで、ペースを上げて突き進んでほしいところです。

 

火ノ丸相撲

 五條家の構図がめちゃくちゃ良い。働き詰めの父、専業主婦の母、優秀な長男に対してグレてしまった次男と長女。こういったキャラクターのバックボーンが見える回は大好物です。

 火ノ丸の実直な態度と2000万円の年収でことをすんなりと収め、いざ千秋楽へ。寄り道のようで欠かせないエピソードを、コンパクトに収めた構成も見事です。

 

思春期ルネサンスダビデ

 小便小僧くん、なんていいやつなんだ。わかってはいましたが、本当に友情を描く上でこの上ないキャラクターになっています。

 ここに来てのマグリットの鳩はキレがすごくて笑いました。

 

ハイキュー!!

 バレーボールにおける重要なエッセンスのひとつであるローテーションの妙と、鴎台を象徴するサーブ&ブロックの印象を際立たせた回。

 星海&昼神コンビの次のコマに、それをコート外から眺める山口&月島を挟んでいるのが憎いですね。

 苦戦する様子が続けて描かれている両レフトが蔓をぶち抜くシーンが見られるのかどうかも楽しみです。

 

ゆらぎ荘の幽奈さん

 修行編でもどうしてもスケベ満載の回をやりたいという熱い心意気を感じます。素敵ですね。

 

最後の西遊記

 心配していた通りの掲載順になってしまいました。来週再来週で下位層が完結すれば、あっという間にドベまで落ちてしまうポジションです。

 討怪衆の面々は個性的でビジュアルも良さそうなので、どうしてこれをもっと早く出せなかったんだという気持ちでいっぱいです。

 今回の孫悟空の話もそうなんですが、世界観的な部分の説明は冒険をしながらでも良かったのでは……。少なくとも『ジャンプ』では、設定が後付けになることなんて、恐れる必要はないと思うんです。

 

獄丁ヒグマ

 新たにした決意を閻魔に打ち明けたところで、こちらも俺たたエンド。ジャンプラで後日談が読めるのは嬉しいですね。

 最終話こそ少し晴れ間がのぞきましたが、全体を通して鬱屈とした薄暗い雰囲気がぬぐえなかったことが最後まで響きました。表立った主人公の行動理由が「仕事」のみで、ポジティブな動機がずっと見られなかったことがすべてだと思います。

 物語のメッセージ性やバトルのための設定などは良かっただけにかなり惜しいですね。完結編と次回作に期待したいところです。

 

食戟のソーマ

 最終決戦にしてはしょっぱい印象です。次週が母親の回想編、その次が最終回となると、えりなとの対決は描かれずに完結、あるいは別紙での掲載となるでしょうか。

 強いインパクトがあり、序盤から人気を博していた作品だけに、尻すぼみとなってしまうと物悲しい気分です。

 

ジモトがジャパン

 女装しながらまともなツッコミをしているトキオがもうなんなのかわからなくて笑えますね。

 男ジャパン。確定男大三元。今週もなかなかのハジケでした。

 

 

 次週は福田健太郎先生の新連載。『デビリーマン』は打ち切り作品ながらも綺麗に話がまとまっていて好きだったので、今回も期待したいです。