フリーライターなるしかねえ

社会不適合な若者の日記です

【感想】週刊少年ジャンプ 2019年28号

 表紙のカエルに『NARUTO』っぽさを感じるのは僕だけじゃないはず。オダッチは岸影様大好きだし。

 

 

ONE PIECE

 長かったドラマパートが終わり、ようやく戦闘シーンに突入した感じがします。

 主戦場は都ですが、より気になるのは兎丼側。ギザ男たちはどさくさで助かりそうですが、ルフィの拘束具はどう解決するのか気がかりです。

 おリンがゴリゴリの肉弾戦を挑むのは大迫力でいいんですが、自分の何倍もデカい恐竜を空中で引き倒してんのはどういうエネルギーなんでしょう。比重がすごいのかな。

 

約束のネバーランド

 「アタマ」も「いしき」も全部「脳」の字が振られているのがミソですね脳みそだけに。彼らの「脳」には特別な価値があります。それは鬼がこぞって食べたがるほどに。

 時を巻き戻すシーンは見開き2ページ半を使った渾身の描写。是非とも映像でも見てみたい圧巻の演出です。

 一方で、既に進軍を始めているノーマンたち。壁の向こうから帰ってきた二人との衝突が心配です。

 

鬼滅の刃

 最高にアツい展開がきました。しのぶさんは俺たちの中で生き続けるんだ。ここ最近ずっとそうなんですが、本編を読み終えた後に扉絵に立ち返ると二度おいしく楽しめます。

 冒頭の「地獄」のくだりは、鬼ながら宗教の妙を捉えていて唸らされます。こういう真理や正論を突き付けてくる悪役は良い。

 

サムライ8 八丸伝

 ホルダーの紹介を兼ねたバトル回。設定をくどくどと説明するのではなく、まずはやって見せる、絵で見せるというのが素晴らしいところです。

 先週も触れましたが、この漫画は本当に描き込みがすごいんです。作画コストがえぐい。

 その分情報量も多くなって、難解な印象を受ける漫画にもなっています。苦手な人も少なからずいそうですが、岸影様の後光で打ち切りはないはずなので安心して楽しめますね。

 

ブラッククローバー

 主人公を焚き付けるのは、いつだってライバル。戦いの中で能力の覚醒は何度見てもたまらないですね。かっこいい剣、そしてかっこいい剣!

 こういった、少年たちの好きなものを直球ド真ん中ストライクで投げ込んできてくれるところが嬉しいですね。自由帳に描いていた内容が、そのまましっかりとした漫画に落とし込まれているみたいな。

 

Dr.STONE

 蹴り出されたスイカも船に戻っていました。それでもなお、ラボを手に入れるというのは難題に見えますが、いかにしてクリアするのかが楽しみですね。

 ガチャのカードイラストがかなり凝ってると思ったら、案の定作画はしんどかったみたいで笑いました(巻末コメント)。

 

ビーストチルドレン

 ラグビー部員は、もれなくクセが強い系のキャラクターたちでした。それぞれがフィーチャーされる回が来るといいですね。

 今のところいいテンポで話が進んでいるように見えますが、どうしても気になるのが、肝心の試合シーンがやや窮屈でイマイチ迫力に欠けること。もちろん難しいだろうとは思いますが、コマ割りの大胆さは、間延びしないこととトレードオフではないはずです。どうにかして、もっと画面めいっぱいにラグビーの熱さを描いてほしいと願ってしまいます。

 あと途中で一人後ろ手にパスしてるように見えるけど、ラグビーってそんなんできたっけ?パスは両手で投げないと反則、みたいなイメージなんですが。

 

ぼくたちは勉強ができない

 作中では受験も佳境に差し掛かりました。気温も一気に上がってきたこの時期に見るサンタコスもオツなものですね。

 次週からはリズりん回。ここから受験本番にかけて、メインヒロインたちの心の壁をもう一つ乗り越える形になりそうです。

 そういえば、ストーリー構成的に恋の結末と受験本番はどっちが先になるんでしょう。僕はなまじ進学校に行ってしまったので一般的な学校の受験期に馴染みがないのですが、どうしてもこの時期にうかうかしてんじゃねえという気持ちが抑えきれません。受験シーズンまで色恋沙汰に現を抜かしていた奴、だいたい志望校落ちてる。

 

トーキョー忍スクワッド

 先週同様、読み切り感が漂うというか、まずは1話完結の人助けアクションの形を取っています。ビルから飛び降りるシーンといい、とにかくアクションシーンをトーキョーの舞台で見せたいんだ、というのが伝わってきますね。

 ここにどんなキャラクターやドラマを用意できるのかに期待がかかります。アクションもどんどんド派手に大規模になっていってほしい。

 「忍はいつの時代も自分の信じた正義を貫かなきゃならねえ」には『NARUTO』の忍道が想起させられます。単なる能力バトルではなく、いかに“忍らしさ”をアピールしていけるかという点に今後の命運がかかっていそうです。

 

アクタージュ

 吉野屋で牛丼食ってる二人が見られたのでもう満足です。ありがとうございました。

 演技を磨くためなら人間ポンプだってやってのける女優、百城千代子。なんというかニッチな性癖に刺さりそうですが、狂気じみた執念を描くインパクトとしては十分でしょう。

 個人的には、蝋燭に火を灯して「修学旅行みたい」とか言っちゃう雪さんがツボです。

 

ふたりの太星

 二重人格の謎に迫るカギを握る、謎の人物が描かれました。肝心の対局はあっさり負けてしまっていて、どうも首を傾げたくなる部分ばかりが目立ちます。こうした不可解な点にどういった解答が用意されているのかに期待して読み進める形になりそうです。

 羽賀くん、明らかにレギュラー枠だし、なんなら修行編も共にしそうな雰囲気すらあるんですが、いかんせんビジュアルが気になって話が入ってこない。口まで封じたかと思ったらすぐに解いてるし。ここから拘束が外れていって、成長が目に見えるキャラクターになる……のかな。

 

BORUTO -ボルト-

 ナルトの過去を知ったカワキが完全に心を開き、敵の正体も概ね明らかになり、ようやく物語が動き出すというところでのVジャン移籍。

 他誌への移籍といえばSQ.かジャンプラかという印象でしたが、最近は移籍先も多岐にわたりますね。どれだけの人数が追っていけるのか、かなり疑問です。

 名作の続編というのはもちろんのこと、『ドラゴンボール』よろしく見やすくて格好いいバトルシーンは目を見張る素晴らしさなので、どこにいっても愛される漫画であってほしいです。

 

僕のヒーローアカデミア

 連合といえばもう一人、ホークスも忘れてはいけませんでした。いいところで駆けつける役が用意されていそうにも思えますが、実際にどうなるか楽しみです。

 スピナーにも思うところがあるようで、いよいよ群像劇の色合いが濃くなってきましたが、とにかくトゥワイスの株価が留まるところを知らない。

 

火ノ丸相撲

 仕上がった草薙の相撲が刃皇を打ち破るシーンも見たかったですが、今回はおあずけのようですね。実質横綱のミスという形での決着に少し拍子抜けする気持ちもあり、次への期待を高めるほかなさそうです。

 同部屋対決のフラグをダブルで回収する構成も綺麗ですね。ここからもほぼ勝敗が見えている取組みが続きますが、これまでの熱さを鑑みるに、今後も盛り上がりへの心配はいらないでしょう。

 

呪術廻戦

 呪霊でなく、肉体のある相手にとどめを刺すことの辛さがそこはかとなく描かれます。この主人公たち、優しいんだ。

 夏油たちがみんなして人生ゲームで遊んでいるの、良いですよね。こういうところに『呪術廻戦』を感じます。

 

地獄楽

 ジャンプラの超人気作が本誌出張。1話完結ものならまだしも、既にかなりの長さのある続きものの時系列の中に、これだけ面白い読切を新しく描くのは容易ではないはずです。作者の実力が窺えますね。

 キャラもバトルも格好よく、絵柄や魅せ方の巧さも相まって、読切として文句なしのクオリティな上に、本編を読んでいると、この奥さんの存在にもクソデカ感情を抱かざるを得ないのがまたアツいところです。結さんはここに確かに存在してるよなあ!?

 『サマータイムレンダ』や『忘却バッテリー』、『奴隷遊戯』あたりは「ジャンプラでよかった」と思うことがありますが、『地獄楽』は本誌でも人気出たんじゃないかと思います。房中術の描写だけ難しいかな。

 

チェンソーマン

 直前のエピソードで魅力を印象付けたメインキャラを躊躇いなく殺す漫画、チェンソーマン。

 命を賭して放った奥の手も、敵には効果なし。姫野先輩ですよ?チャオズじゃないんですよ?辛うじてデンジに望みを繋いだのが唯一の救いでしょうか。

 早川パイセンには絶対生き残ってほしい。ずっとずっと生き延びてほしい。たぶん叶わないんですけど。

 

 

ゆらぎ荘の幽奈さん

 幹部との戦いが随分ゆるいと思ったら、意外にも雪崩が強くないというカミングアウト。そう言われれば、確かにいろいろと腑に落ちる点が多いですね。

 ロリババアの可愛いバタ足が見られるのは『幽奈さん』だけ!たぶん。

 

食戟のソーマ

 全ての物語はスーパー親バカ爺から始まった。打ち切りが決まってからではなく、連載開始当初から決まっていたような綺麗なまとめ方でした。

 一度認められなかった品を再度ぶつけるという構成も綺麗ですね。終活がうまい。

 

ハイキュー!!

 長く重苦しい展開が掲載順にも表れてきました。あともうちょっとの辛抱です。

 キャラクターたちの精神的な成長を何度も描きながらも、「壁を乗り越えました!もう最強です!」で終わらないのがこの漫画のいいところ。あくまでも「頭が勝手にソッチ行っちゃうんだよなあ」がリアルなんですよね。

 「思いなんて足枷」という昼神に対し、「恐怖心も全部背負う」という旭のモノローグが対照的に映ります。日向⇔影山・月島、東峰旭⇔西谷夕といった対比は明らかにデザインされたものですが、旭(および夕)と“昼神”もまた、対比を意図されたネーミングなのかもしれません。

 「烏野リベロかっけえ 何事だよ」、めっちゃわかる。何事だよ。

 

神緒ゆいは髪を結い

 主人公にクソ男をスカッとぶっ飛ばしてもらいながら、鎖の謎にも少しずつ迫っていく展開。二重人格特有の精神世界すこ。

 「どこまで知っているの…?」というエビちゃんこそ何者なんだという長らくの謎が、ようやく紐解かれそうです。

 展開として相当面白い流れが来ているだけに、既に読者がほとんど離れていってしまっているのが残念でなりません。流石にこの展開を最初からやるわけにもいかないですし、本来は1話完結のドタバタコメディで人気が出る予定だったんですけどね……。

 

最後の西遊記

 この話も、もっと後にやる予定だったろうになあという空気が全体に漂っています。打ち切り作品あるある、積み重ねた時間が少なすぎて感動シーンも感動シーンにならない悲しさ。いや、この漫画の場合もっと序盤に時間を使えたはずなんですが。

 アオリ文がちょっと面白すぎて悪意すら感じます。そりゃジャンプ読者ならこのフレーズ大好きだけれども。個人的にはキャラ漫才をやっているときのアイデンティティ見浦が思い出されてしんどいです。

 

 

 

 二色カラー手前の『ジモトがジャパン出張所』、4コマなのに十分面白いのすごくないですか?いや普通に本誌で連載してほしい。