フリーライターなるしかねえ

社会不適合な若者の日記です

俺、ちょっとバズりたいかもしれん

 自分語り日記、というかメモ。

 最近、自分の中で時折湧き上がる欲望に、どうしたものかと悶々としている。一言でいうなら、「俺、ちょっとバズりたいかもしれん」。このブログが多くの人に読まれることを、望んだり望まなかったりしている。

 この欲望と向かい合うため、一度文字にして整理したい。

 

 

 事のきっかけはこの記事が結構伸びたこと。

ikiumejapan.hatenablog.com

 バズるなんて現象には程遠いものの、ブログを始めて以来最大のヒット。累計のアクセス数が2倍に跳ね上がった。つまり恐ろしいことに、このブログは一時、総アクセス数の5割を『タイパク』に支えられていた。サンキュー佐々木フォーエバーパク八。

 俺としても、これを書いている時は明確に筆が乗った感覚があった。いろいろな文句を全部乗せした割には、構成もまあまあ上手くいった気がする。
 読者の反応も概ね好評で、「言いたいことを全部言ってくれた」的なコメントが多かった。まあ無理くり全部書き連ねたんで当たり前なんだけど。
 もちろん、「作者はそこまで考えてないと思うよ」くらいの批判はあったが、それ以上にたくさんお褒めの言葉をいただいた。特に「モヤモヤを上手く言語化してくれてる!」的な感想が嬉しかった。

 勢いよくアクセス数が増えたおかげか、Googleで「タイムパラドクスゴーストライター」と検索すると上の方にこの記事が出てくるようになったらしく、現在も毎日数百程度の訪問者をコンスタントに呼び込んでくれる記事になった。個人的には、毎日数百人が『タイパク』について調べていることが驚きだけど。やっぱり『タイパク』は大ヒット作だよなあ!?

 記事が伸びた要因を考えるなら、ざっくり3つほど挙げられるだろう。
 まず1つ目に、何と言っても作品自体の話題性が大きかったこと。ただの「打ち切られそうな新連載」ではこうはいかない。実際、話題になるだけの“何か”を感じたからこそ、俺もこの記事を書いたわけだし。
 2つ目に、『タイパク』について、多くの人が抱いているであろう印象や感想を網羅的に述べられたこと。基本的には自分が抱いた感想について書いたが、そこには1話・2話を読んだ時点でTwitterで見かけて共感した内容も含まれていて、その分さらなる共感を呼びやすい記事になったように感じた。
 3つ目は、あの早さ、あのタイミングで出せたこと。新連載の第3話というのは、多くの人が読み続けるか否かの評価を下すタイミング。加えて、ジャンプが発売された月曜日の夜というのも、読んですぐに他の人の感想を探している人の目に留まりやすく理想的だった。 

 そんなこんなで、多くの人に記事を読んでもらえて、俺の承認欲求は大いに満たされた。反面、『タイパク』が自分のブログへのアクセス数の大半を占めているという現状がなんとなく嫌だから少しでも希釈したいという心理も働き、ブログ更新のモチベーションが少し向上した。

 

 そんな中で書いたのがこの記事。

ikiumejapan.hatenablog.com

 これもバズったと言えるほどのものではないにしろ、『タイパク』をはるかに超えるヒットを記録。
 フィギュアスケートファン、特に“宇野マダム”の間でじわじわRT数を伸ばすと、スマッシュログ公式アカウントをはじめとしたスマブラ界隈の有名人にも拡散され、初の4桁RTに到達。一日のアクセス数は5桁を突破した。

f:id:ikiumejapan:20200629130308p:plain

『タイパク』の3000PV/日を一瞬で過去にした

 『タイパク』の記事は自分のモヤモヤした感覚を整理しながら書いたのに対して、この記事はタイトルの通り、初めからメインに据えて伝えたい内容(=記事を書いた動機)がくっきりとあったので、それに沿って簡潔に書けたのが良かったように思う。
 たくさん語りたくなるところをグッと堪えて、放送の内容を逐次的に全て語るのではなく、なるべく“ジャスガ反転上スマ”のシーンに焦点を絞ったことで、読みやすい記事が書けたような手応えがあった。その分、お気持ち文の方は膨らんだけど。

 アクセス元を見るに、スマートニュースにも引用されてたっぽい(アプリ入れてないからよくわからない)し、はてなブログのトップページにも掲載されていた。すごい。

 これも伸びた要因を挙げるなら、放送そのものの話題性もさることながら、最も大きかったのはコミュニティの力だと思う。
 特に、フィギュアスケートファンのリサーチ力や拡散力(というか「共有したがる力」みたいなもの)に大きく助けられた。常に推しの評判にアンテナを張って、ハッシュタグ付きの投稿を探している人たちがいたおかげで、俺の記事を多くの人に読んでもらうことができた。
 はっきり言って、俺はスマブラのコミュニティにもスケートのコミュニティにも明確に所属していないし、日頃からフォロワー同士でそういった話題を共有して盛り上がっているわけでもない。そんな完全に浮いた場所にいる人間が書いた記事を、見つけて拾い上げて拡散までしてくれた人たちの存在には感謝するばかりだ。
 もう一つ書き添えるなら、やや細かい要因ではあるが、“ワードの力”の強さを感じる部分もあった。今回の記事だと「宇野昌磨のジャスガ反転上スマ」の存在感が大きいが、個人的には「俺たちの昌磨」というフレーズが多くの人に気に入ってもらえたことに手応えを感じている。シンプルな要素ながら、こういうインパクトのあるパワーワードやキラーフレーズを盛り込めると、反響もより良くなることが実感できた。

 

 こうして立て続けに二つの記事が伸びたわけだが、多くの人の目に触れるということはそれだけ多くの反応・反響が得られるということ。俺は熱心にエゴサーチを行った。
 どちらも俺が感動したこと、気持ちを大きく動かされたことについて書いた文章なので、まずそれらの内容について共感が得られたことを確かめて安心した。やはり俺も少なからず共感を求めて書いたので、期待通りの成果が得られたことが嬉しかったし、これだけたくさんの人から共感を寄せられる経験は初めてで、不思議な高揚感を覚えた。

 さらに、期待以上の成果として得られたのが、“文章の上手さ”に対する評価。わかりやすい、読みやすい、言語化が上手い等々、自分で並べていて恥ずかしくなるくらい直接的な称賛をたくさんいただいた。
 もちろん、なるべくみっともない文章にならないよう、俺なりに考えながら工夫して作っているので、自分でもある程度は満足のいくクオリティのものを出しているつもりではあった。とはいえ、ここまで多くの人から作文の技量を高く評価してもらえるとは思っていなかったので、喜びもひとしおだ。
 特に、小学館の編集者さんに褒められているのを発見した時は舞い上がった。いやマジで何事かと思った。

f:id:ikiumejapan:20200626124003p:plain

もったいねえお言葉すぎてスクショ撮った

 ちなみに私は現状、別にどこでも書いておりません……フリーライターを自称しているだけの一般オタク男性です……。

 

 何はともあれ、気分はすっかり「オレ、ブンショウ、ウマイ」になった。おだてられたなら木にも登ってやろうということで、俄然、向上心みたいなものも湧いてきた。
 題材や文体の選び方を考えてみたり、上にも書いたように伸びた要因をちょっと分析してみたり。次はこうしてみたらいいかもしれない、なんて思索に耽るのが思いのほか楽しかったり。「もっと上手にできねえかな」という意識が少し芽生えてきた。
 すると、「最終的に自分がどうなりたいのか」にも自然と意識が向いてくる。仮にこれから作文の技量を磨いていくとして、その先は?

 少し考えてみた結果、俺の答えは「とりあえず一回バズってみてえな」だった。長期的な目標なんかは一旦置いといて、大きくバズるという現象を経験してみたい。明確になったのはそれぐらいだった。

 俺の中で「バズる」というと大体の目安は「Twitterで1万RTされる」ぐらい。文章を読めない人たちのクソリプがいっぱいついて、リプ欄で知らない人同士が会話を始める程度の規模感だ。心無い意見にも晒されて嫌な思いをするかもしれないが、それも込みで一度体験してみたい。それで懲りたい。
 かといって、「1万RT目指すぞ! 拡散希望!」みたいに気炎を揚げて取り組むのも何か違う気がしていて、もっとのんびりとやっていければと考えている。とりあえずは、「現状の最高記録を超えたらハッピー」くらいの感じで。

 

 そもそも、Twitterの仕組み上、ブログ記事がバズるというのは普通のツイートがバズるよりも難しいはずで、それを筆者が狙って起こそうと思えばより一層難しくなるであろうことは言うまでもない。実際に、Twitter上で個人のブログ記事がバズっている時は、そのツイートは筆者のものではなく第三者の感想を添えた紹介ツイートであるケースが非常に多い。
 それらを見るに、本文中のキラーフレーズを引用したキャプションや、一部分のスクリーンショットを添えたような、ハイライト的な性質を持ったツイートの方が、おそらく目にも留まりやすくてウケやすいのだろう。
 ただ、それを筆者が自分でやってしまうと、白々しい寒さというか、手前味噌くささみたいなものが目立ってしまう恐れもあるように思う。ここの勇気が出ないがために、いつも俺の記事投稿ツイートは「~~を書きました。」みたいなキャプションになっている。この辺りは意識を変えて試してみる必要があるかもしれないが、現状そこまでしなくてもいいかな、という気持ち。

 

 意識を変えるという点で言うと、根本的なTwitterの使い方、特にフォロー・フォロワー(以下、FF)についての考え方も少し変わった。
 基本的に、俺は今のタイムラインの速さや居心地が気に入っていて、なるべくFFの人数を増やしたくない気持ちが常にある。しかし、Twitterでバズるという観点では、FFの繋がりは正義だ。特に、フォロワーは多いに越したことはない。

 昔の話になるが、俺が‪ちょっと面白いことを言うとすぐリツイートする人がフォロワーにいて、俺はそれがなんとなくいちいち不快だったのでブロックしてしまったことがあった。
 なんでもかんでもリツイートする人って、ちょっとバカっぽくてみっともなくない? もっと言うと、自分の意見を述べるでもなく、ただ共有のための公式RTばかりが並んでいるアカウント。なんか生理的に嫌なんだよね。

 ところが、今になって考えてみれば、それも「バズる」という現象には欠かせない存在だったわけだ。そういったアカウントが最初の数RTを稼いでくれれば、集団心理が働いて、ツイートは加速度的に伸びていく。上に挙げた俺の記事を拡散してくれた人たちも、その多くが無言リツイートをずらりと並べているアカウントだった。そのおかげがあってこそ、俺の記事はたくさんの人に届いていたということだ。
 バズりたいというのであれば、この存在を毛嫌いしてはいられない。なんなら、もはやそういうフォロワーが欲しいとすら既に思っている。
 ただ、仮にそんなフォロワーが得られたら得られたで、しばらくモヤモヤしていそうな気もしている。少なくとも、フォローされたいとは思ってもフォローしたいとは思わないし。その辺りの割り切りがまだ難しそうで、露骨にフォロワーを増やす活動をしようとも思えないのが現状だ。

 

 しかしながら、先にも述べた通り、コミュニティの力というのはすごいし、出来ることならそれにあやかりたい。特定の界隈の人が興味を持ちやすいであろう内容の記事を書いたとしても、それを集団の外側から内側へと届けるのは難しいからだ。
 今もこのブログの下書きには、「割と頑張って書き上げたけど、題材としたジャンルのコミュニティに届けられなさそうだから公開していない記事」がいくつかある。具体的には『LoL』の話とか『オートチェス』の話とか、『ハイキュー!!』について語った記事とか。それもこれも、コミュニティに所属していない現状の俺では、本当に読んでもらいたい人にまで届かせることは困難だろう。宇野昌磨選手の記事がスマブラ・スケート両界隈の目に触れたのは、正直ただの偶然だった。
 こういった際に、コミュニティとあらかじめ繋がっておく手段として、FFの関係は最も手軽だ。各界隈にFFを増やして、コミュニティに所属する努力をした方がいいようにも思う。だが、それも今一つ気乗りがしない。

 俺は基本的に飽き性で、特定のものにずっと熱意を注ぎ続けていることがあまりない。ゲームも特定のタイトルだけに傾倒しているわけでもないし、スポーツ観戦だって常に試合結果を追えているわけではない。このブログの題材だって、基本的には気分で選んで書いている。
 つまりは、コミュニティに所属したところで、そこで居心地よく過ごせるだけの熱量を維持できる自信がないということだ。自分の中でモチベーションが下がった時、コミュニティとの温度差に晒されるのは居たたまれない気持ちになる。単に所属することにもエネルギーが要るのだ。
 さらに言えば、ジャンルが細かくなればなるほど、必要とされる熱量も増える。ジャンルの括りが狭くなれば、コミュニティの規模も小さくなり、帰属意識や内部の結びつきが強まる。俺は、その強い結びつきの中で暮らしていけるほどのエネルギーを保っていられる気がしない。定期的に自分の好きなものに自信が持てなくなる感じ、わかる人いるよね?
 逆に言えば、広い括りのコミュニティなら、ゆるい繋がりで省エネしながら所属していられそうだとは思う。『スマブラ』とか『ハイキュー』ではなくて『eスポーツ』とか『少年ジャンプ』ぐらいの規模感なら、無理なくやっていける気がする。まあ、その分あやかれる力も弱まるんだろうけど。ひとまず、なんとなくeスポーツとかジャンプが好きそうな人は少しずつフォローしてみることにする。

 

 ということで、バズるためにはこうした方が良さそう、くらいのことを書き出してみたわけだが、ここまで書いて思うのは「別にそこまでするほどのことでもねえな」。
 結局、バズってみたい気持ちはあれど、そのために積極的にアクションを起こすのには違和感がある。有り体に言えば、「偶然バズりたい」というのが正確だろう。

 それに、バズることやアクセス数を稼ぐことばかりを目標にしてしまうと、くだらない話ができなくなるのが嫌だ。俺の中には、みんなに認められたい部分もあれば、あまり理解されたくない部分、わかる人にだけわかってほしい部分もある。このブログには、こういう自分の考えをまとめるだけの記事や、ただの身の上話でさえも気兼ねなく書きたいし、バズ狙いで書くだけのものにはしたくない。
 露骨にバズ狙いの臭いがする記事は、何と言うか気恥ずかしい印象がある。正直、『タイパク』の記事なんかはそのギリギリのラインだったと思う。目にした情報を全部乗せして、言いたい事を全部言うということは、言い換えれば世の中で言われていることをまとめただけでもある。大衆に読んでもらいやすいのは間違いないのだろうが、その方向性を極めていくと“2chまとめブログ”だとか“いかがでしたかブログ”みたいなものになると気づいた。あれってそういうことだったんだな。
 とはいえ、多くの人に共感してほしい内容の記事が書けたら、より多くの人に読んでもらうために、そういうバズ狙いの要素も盛り込んでいくことになる。その中で質を担保することというか、いい塩梅を保ち続けることが何よりも難しいし、考えなければならないところだと感じる。いかにして世間一般の情報に自分のセンスを織り交ぜて、独自性と公共性を両立させるか。

 バズを狙う、すなわち大衆受けを狙うということは、誰にでもわかる話をするということでもある。微かながら、ここに活路がある気がする。これでも俺は、わかりやすく人に教えるということについては、ギリギリ人並み以上の能力があると自負している。言い換えて、例えて、知らない人でもなるべくスムーズに理解できるように文章を作ること。思えばこのブログのバズ狙い記事は、素よりその方向性で書いているものがほとんどだ。

 その質を高めていけば、俺ならではの要素も世間にウケやすい要素も、それらを記事に落とし込む適切なバランスも、自ずと見えてくるのではないか。これについては、なるべく人が書いた文章に触れながら、数を重ねて感覚を掴むしかないように思う。
 出来れば、インプットの部分は特に意識的に増やしていきたい。どう考えても俺は、平均的な成人男性と比べても読書量が少なすぎる。どうしても活字をいっぱい読んでるとすぐ疲れちゃうんだよね。そのくせ、こんなアホみてえな文量の自分語りは書くんだけど。

 とどのつまり、俺としてはこれからもブログの使い方はほとんど変わらないというのが結論だ。人の繋がりと文章のインプットを少しずつ増やして、たまに記事が伸びた時にはその原因を考えて、その再現性を探ったり探らなかったりしながら続けていく。ごちゃごちゃ思い悩んだものの、最終的にはこの程度でいいのだと納得して安心したので、今回は考えるのはここまでにする。

 

 俺が何故今こんなものを書いてわざわざ公開しているかと言うと、『タイパク』の記事を読み返して背筋がざわついたからだ。表には出していなくても確かに内にある欲望の気配が、読み手側に不快感を与える……。今後、俺がバズ狙いの記事を書いたとしたら、俺に対して同じことが言えるのでは? 「本人はしらばっくれてるけど、なんかこいつの記事、露骨にウケようとしてるな」なんて思われたが最後、もう俺の記事はことごとく寒いものになってしまうのでは?
 そうならないためにも、己の欲求とは素直に向き合っていこうというわけだ。身の丈に合わない欲望も、表立って掲げれば“意気込み”になる。佐々木哲平を反面教師にして得られた教訓だ。「絶対、バズネタを連発するインフルエンサーになってやる!」とは言わないが、「ワンチャン、バズってみたくて書いてます」ぐらいは宣言しておいても罰は当たらないだろう。
 いや、『タイパク』に影響されてこんな真剣に考えこんでるの、地球上に俺ぐらいのもんだろ。我ながらアホくさくて笑えてくる。

 というわけで、日頃このブログを読んでくださっていて、こんな冗長な自分語り日記にも最後まで目を通してくださっている心優しいフォロワーの皆様には是非、今後とも応援していただきたい。俺の書いた記事を読んで、「おっ、こいつバズろうとしてるな」と感じたら、そっと拡散の力添えをしてほしい。あなたのフォロワーには響きそうになくても、数をひとつ増やすためだと思ってリツイートをひと押しだけしていただければ幸いだ。
 もちろん、「露骨にバズりたそうな割にクソつまんねえ記事だな」と感じた場合はその限りではない。かく言う俺も、本当にいいと思ったものしかいいねやリツイートはしない主義なので、他人に思考停止で拡散することを要求する意思も資格もない。だって、そういう考えのもとに判断しないと、俺の嫌いなリツイートまみれの人間になっちゃうし。
 俺としては、今後ともそれなりに精進して、「そこそこいい文章書いたじゃねえか、リツイートぐらいしてやろうかな」程度には思ってもらえるような記事を作るつもりでいるので、どうか温かい目で見守っていただけると嬉しい。

 ちなみに、伸びて欲しい記事は文末にTwitterのリンクを貼っていたりするので、すぐに見分けがつく。露骨だね。