フリーライターなるしかねえ

社会不適合な若者の日記です

【感想】週刊少年ジャンプ 2019年29号

 ジャンプ以外のことも書きたいと常々思ってはいるのですが、書いては消し書いては消しで何も出来上がらなくて困っています。

 今のところジャンプ以外の記事は月2本ペースで来ているので、しばらくは月3本を目指してみたいと思います。マジでもっと適当なこと書きたい。

 

 

鬼滅の刃

 ありがとうしのぶさん。ありがとう吾峠先生。

 「少なくとも柱三人分の力に匹敵」するという上弦を、しのぶさんと共に三人で打ち破った伊之助とカナヲちゃんもまた、柱に匹敵するまでに実力をつけたということでしょうか。泣ける。

 ド畜生な敵キャラが無様にやられていく様はいつ見ても気分が良いですね。これだから「憎める敵キャラ」は良い。

 昔の日本人は小さくて軽いとは聞きますが、それにしてもしのぶさん、体重37キロて。そんな可憐な姿でずっと戦ってきたと思うと、尊みが増して大変なことになってしまいます。

 

サムライ8 八丸伝

 まだアンケートが反映される時期でないのはわかりますが、さすがに掲載順が高すぎませんか?どうしてもテコ入れというか贔屓というか、実際の評判との乖離を感じてしまいます。

 ただ、絵が少し見やすくなってきているのは好印象ですね。僕は漫画の技法に明るいわけではありませんが、今週は素人目に見てもごちゃついた背景より主人公たちの輪郭が際立っているように見受けられます。お披露目されたヒロインのキャラデザも素朴でいい感じ。

 父への負い目というところがかなり主人公の動きを縛っているようで、作品全体としてもやや窮屈さが漂っているので、ここが早く解決される展開が待っていると嬉しいですね。

 

チェンソーマン

 並み居る人気作を押しのけて掲載順3位にまで上り詰めてしまった漫画、チェンソーマン。

 「1ミリでも動いてみな~!?お仲間のお顔がおミンチになるぜ~!!」とか言っちゃう少年漫画の主人公が、今まで存在したでしょうか。このぶっちぎりの邪道感がまさしくウケている要素のひとつでしょう。

 マキマさんは生存ルートのようで安心しました。この辺りはまだ少年漫画の様相を保っている。

 

アクタージュ

 夜凪ちゃんのぶっ飛んだ部分がよく見える回でした。百歩譲って制服姿はまだしも、ローファーでガチ登山はやべえよ。

 完璧な女優を目指して危うい道を突き進む百城千代子に、かつて壊れてしまった星アリサを重ねている黒山監督。自身の“賞味期限”を理解し、その上で危険な選択を取っている彼女の意志を尊重するのか、彼女を守る立場を取るのか。彼がその葛藤の末にどのような決断を下すのか、目が離せません。

 

ブラッククローバー

 アスタ&ユノパワーでドドンと解決とはいかず、もう少しだけ引っ張る様子。ヤミ団長のあと「一撃ぐらい」のフラグなんかもありますし、改めて総力戦で決着まで見えているでしょう。

 ネロとしてずっと見守っていたセクレがアスタに希望を託すのもアツいですね。

 

約束のネバーランド

 「邪血」をめぐる駆け引きが続くドン・ギルダ側。相変わらず味方同士で疑り合っていて居心地が悪いですね。

 「アイシェは人間の言葉がわからない」、いやそんなわけあるかという話だったわけですが、逆に話せばわかる相手でもあるような予感がします。というかそうであってほしい。居心地が悪いので。

 

トーキョー忍スクワッド

 激レア忍法帖の恩恵を受けつつもそれに無自覚なエンさん。単発の依頼をこなしていくエピソードの中で、この忍法帖の謎が物語の本筋となっていきそうです。

 ただ、肝心のアクション要素が今週は少し物足りなくなってしまっていたのが惜しいですね。まだ3話目ですし、俺はこれがやりてえんだぞっていう画面を読者にドンとぶつけた方が、ファンを獲得するには良かったはずです。

 タイガーだけに大琥くんというのも……まあいいんじゃないですか。

 

ハイキュー!!

 裏切られました。もちろん良い意味で。最高。

 この形で「1点」をもたらすことで、読者に待ち望んだカタルシスを与えつつも、ブロックをぶち抜くパターンも後に取っておくことが出来て二度おいしい。これマジで天才じゃないですか?

 筋弛緩法を見て勝ちを確信するコーチ、百沢のカットイン、当然のようにセット以外でも役立つ菅原、エースへのハイセットに昂揚感を湛える田中、才ある後輩たちと同じ世界が見えた東峰、そして信じて疑わなかったエースの復活に堂々たる表情の澤村と目を潤ませる菅原。芸が細かすぎる。こんな繊細なスポ根があってたまるか。よしみざわよしお。

 

呪術廻戦

 冒頭2ページ半のコマ割りと表情が素晴らしい。もちろん会話の内容も。共振のことを互いに隠そうとする姿勢もそうですが、めちゃくちゃ優しい心を持ってるんですよ、この子ら。「人生の席」の話も趣深いものがあります。

 ここしばらくでインフレの速度も増していたように感じますし、この早さでの一級昇格も適切な判断でしょう。ここからダレないようにペースを維持してほしいところです。

 歌姫先生といい扉絵の二人といい、私服姿が素敵。東堂の性癖の話あたりにも見え隠れしますが、「この作者はこういうのが好きなんだな」という部分が伝わってくるの、なんだか嬉しいですよね。

 

ふたりの太星

 退場かに思えた太が早くも帰ってきて、昼夜の人格が逆転する展開。いよいよ分からなくなってきました。『タッチ』の達也や『キングダム』の信のように、「残されたダメな方」であるところの星の成長を描く物語かと思ったんですが、どうもそうではないようです。

 先が読めないというのは読者を惹きつける上で良い要素なのですが、太と星のどちらに焦点を当てるのかが定まらないというのは、読者としても応援しづらくて悪手だと感じます。

 何に期待して読み進めればいいのかを探しながら見守ることになりそうです。でももう5話。うーん。

 

僕のヒーローアカデミア

 ようやく、両陣営のトップが対面。このままぶつかり合うところにギガントマキアが突入して、ようやく連合編が終了という運びでしょうか。まだ伸びそうな余地があって怖い。

 群像劇の形を取ることで間延びしてしまうのは仕方がないとは思いますが、それならいっそのこと『ワンピ』や『ハンター』のように視点をコロコロ変える手法でも良いのではないかと思ってしまいます。

 もう数ヶ月にわたって主人公サイドの顔が見えないの、流石にどうかと思う。たぶん読者全員そう思ってる気がする。

 

食戟のソーマ

 長い低迷期の末、ついに完結。近頃はもはや悪評しか聞こえないレベルでしたが、最後にいつもの主人公たちに戻ってくれただけでも十分でしょう。建物まで破壊しちゃうくだりも、最後の花火としては悪くなかったと思います。

 結末こそ尻すぼみで残念でしたが、長きにわたって『ジャンプ』の中盤を支えてくれた鮮烈な漫画でした。料理漫画あるあるの“リアクション芸”に、この漫画が新たな一石を投じたことは間違いないでしょう。そして、それをこの『ジャンプ』の紙面で行ったことにも、大きな価値を感じます。

 綺麗に辻褄の合った構成や美麗な絵柄は確かなものなので、番外編や次回作にも期待したいですね。

 

Dr.STONE

 どうして急に扉絵がアラレちゃんなのかと思ったら、そういうことか。

 銀狼が頑張る姿を見せる回に、お茶を濁すようにお下劣要素が組み込まれているの、おそらく意図的なものですよね?個人的にすごく好みです。「頑張れないキャラが頑張る回」に頑張る姿だけをひたすら映されると、「頑張れないキャラ」目線に立っている読者側が置いて行かれるような距離感を自覚してしまうので。

 

ビーストチルドレン

 今週で確信してしまったんですが、やっぱりラグビーをしている部分のコマが小さすぎる。次週から試合に入ってくれるストーリーのテンポは素晴らしいので、もっともっと画面で魅せてほしい。

 絵そのものが未熟なのは問題ではないので、コマ割りと構図にだけもうひと頑張り欲しいところです。『黒子のバスケ』なんかも初期の絵はなかなかの酷評ものでしたが、魅せるところをしっかり魅せたおかげで大人気作品にまで上り詰めましたよね。

 未来のある題材だけに、どうにか生き残ってくれないかと願ってやまない漫画です。『八丸伝』より、こっちにテコ入れが欲しい。

 

キン肉マン 特別読切

 平成小僧の僕としては全く世代ではないですが、それでも知らないなんてことはあり得ない、みんななんとな~く知っている、そんな作品です。前回の読切もうっすらと記憶に残っています。確かテリーマンと戦うやつ。

 内容は明らかにそんな僕たちを意図しているもので、やっていることや見せたいものが至ってわかりやすく描かれていました。ベテランの技。

 全然詳しくないので下手なことは言えませんが、『キン肉マン』のヒットはおそらくプロレスの隆盛とセットで、プロレスから遠のいた世代でもある僕たちには刺さるものも刺さらないような恐れがあると思います。しかし、それでもここまで魅力的に映る漫画になっているのは、『キン肉マン』が作り上げてきたブランドの力が大きいことを感じますね。

 本編も少し読んでみたい気持ちが芽生えました。あるいは『キン肉マン』世代のおっさんにこの読切を読ませて、いろいろ語ってもらいたい。

 

ぼくたちは勉強ができない

 理珠ちゃんの文乃ちゃんへの憧れ。「なりたい私」との距離に、長らく苦悩し続けていることが明らかになりました。クライマックスだけあって、露骨にデカい話ですね。

 そして、当然それは逆もまた然りかと思われます。メインヒロイン二人が、改めて腹を割る展開が用意されていてほしいですね。

 

火ノ丸相撲

 刃皇は当然のように勝ち上がり、メインは鬼気迫る兄弟弟子。苦しみ続ける火ノ丸をずっと支えてきた柴木山部屋の面々の、固唾を飲んで二人を見守る姿が、同部屋対決の重みを物語ります。

 さりげなくバトが好成績を持って帰ってきているのも演出として効いているように感じます。部屋全体の雰囲気も実力も、どちらもすごく良いんだぞと示しているような。

 

ゆらぎ荘の幽奈さん

 コガラシくんがみんなに慕われていることはもちろん、ヒロイン同士の友情も描いているのが素晴らしいですね。

 狭霧ちゃんの気持ちが突破口を開いたのは、結構大きな一歩だったりしませんか?しませんか。

 

最後の西遊記

 ちゃんとかっこいいバトルシーン描けるんじゃん!それだよ佐治ー!!

 いや、どうしてこれがもっと序盤でたくさん描けなかったんでしょう……。もったいないの一言に尽きます。ここからの巻き返しがあると良いんですが。

 

神緒ゆいは髪を結い

 純粋なファンサなのかテコ入れなのか、『ぬら孫』で見た人が本筋に絡んできましたね。同じ世界観ということでいいんでしょうか。

 明確な敵なども描かれない中で、ここからどこに向かうのか、共存なのか決別なのか、全く見えないのが難しいところです。とりあえずは、綺麗に完結してくれることを祈る姿勢に切り替えていきたいと思います。

 

 

 『WEEKLY週ちゃん』の広瀬すず特集、めちゃくちゃ熱量がすごいですね。こういう“ミーハー感”みたいな部分こそが、イービャオ先生の真骨頂だと思っています。これ前も言ったかも。